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おすすめ 3/4 [幻の名作漫画]

 いつの間にか仕事関係の試験まで2週間ちょっととなってしまいました。勉強は全然進んでいません。去年の問題を模擬試験代わりにやってみたのですが、59%しか出来ませんでした。
 
 試験は筆記・口頭・実技と三種類あります。そのすべてに合格しなければならず、去年は口頭・実技が難しくなって合格率が下がっています。受かった科目は翌年は受けなくても良いそうなので、最悪でも筆記とあと1科目受かりたいと思っていました。その肝心の筆記がだめだと、3科目完敗の危険性があります。
 
 さすがにこれはまずいと思い、今日は残業なしで速攻帰ってきました。今晩は勉強に専念しようと、近所のコンビニで夕食用弁当を買って帰ってきました。コンビニで雑誌等を立ち読みしたいのを我慢したのですが、ふと厚いコミックが2冊眼に飛び込んできました。題名は、なんと”3/4”。ほんまりうの”3/4”がコンビニ用の雑誌のようなコミックで出ていたのです。コミック版だと4冊だったのですが、上下2冊で売られていました。
 
 以前にも書きましたが、3/4は隠れた名作だと思います。この機会に是非読まれることをおすすめします。
 
 試験に切羽詰まったこの時期に、”3/4”の復活と出会ったのは、おまえはまだ3/4だ、頑張って3/4を乗り越えてみろ、との天からの啓示だと、自分なりに勝手に解釈し、コンビニののり弁をほおばりながら、今晩は勉強に専念するぞと考えているところです。


麻雀超戦術3/4 上 (バンブー・コミックス)

麻雀超戦術3/4 上 (バンブー・コミックス)

  • 作者: ほんま りう
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2012/08/07
  • メディア: コミック



麻雀超戦術3/4 下 (バンブー・コミックス)

麻雀超戦術3/4 下 (バンブー・コミックス)

  • 作者: ほんま りう
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2012/08/07
  • メディア: コミック



コミック雑誌『斬鬼』で楠勝平が読める [幻の名作漫画]

 最近新しいディスプレイ購入を検討しています。今使っている17インチ液晶は、普通に使う分には問題がありません。ただ、ブルーレイディスクを再生しようとすると”現在の表示モードでの再生が許可されていません”とか出てきて止まってしまうのです。番組宣伝部分までは普通に再生できるので、ハード的な問題ではありません。古いディスプレイのためHDCPとかいう著作権保護に対応していないためのようです。そろそろワイド型のディスプレイを購入し、マルチディスプレイも良いかなといろいろ探し始めました。
 
 kakaku.comで調べて驚きました。フルハイビジョンでも2万程度で買えてしまうのです。いろいろ目移りしているうち、ナナオのT2351とかいうのが気になり出しました。マルチタッチ対応でiPadのように使えるようなのです。どの程度ソフトが対応しているか分からないし、所詮据え置き型なのでiPadと比べるのは酷ですがなかなか購買意欲をそそります。あとは値段が安ければ即決なのですが。さすがにナナオ、23型で6万後半します。安い2万円ので良いかなとか悩んでいるところです。
 
 メーカーのページを見ていたら、購入者にeBook図書券を5000円分プレゼントなんてキャンペーンをやっています。試しにeBookのページを見てみましたが、特に購買意欲をそそる本はありませんでした。が、ふと思いついて”ほんまりう”で検索してみましたが”3/4”はありませんでした。駄目ついでに”楠勝平”で検索してみると出てきました。
http://search.ebookjapan.jp/?s=6&sd=0&q=%93%ED%8F%9F%95%BD

 「おせん」と「茎」の2短編です。どちらも好きな話です。電子書籍だとマンガでも短編毎の購入になるのですね。値段が53円、63円と安いため試しに購入してみました。専用のソフトでしか読めないようですが、なかなかキレイで快適に読めます。たった2短編だけですが、楠勝平の作品が手軽に読めるのは貴重です。
 
 電子書籍版で人気がでれば他の作品も公開されるかなと期待したいところです。この作品、わざわざコミック雑誌版と書いてあります。どうも『斬鬼』というコミック雑誌があって、そこに掲載された物をそのまま電子化しているようなのです。『斬鬼』はすでに廃刊となっているようで、他の楠作品が公開されることは当分無理そうです。
http://venture-plus.com/news/396
 
 わずか2作品だけですが、大勢の方に読んでいただきたい作品です。

死と貧困をみつめる楠勝平 [幻の名作漫画]

 昨日も休日出勤で、帰ってのが9時近く。かなり精神的にも肉体的にも疲れています。なにか気楽に読める漫画でもないかと本棚を漁ると、楠勝平著「おせん」が目に入りました。
 
 楠勝平という漫画家は、ほとんど知られていないと思います。若くして心疾患で亡くなったため、残している作品もわずかです。ここに詳しく解説されています。
 http://godzillu.daa.jp/syouhei/index.html
 
 ガロ増刊号楠勝平作品集には、有名漫画家からの賛辞が載せられています。引っ越しの時この本が無くなっていたため、引用できません。ただ、当時すでに売れっ子だった池上遼一が、楠勝平を初めて読んだとき、悔しくてその本を壁にたたきつけたというようなことを書いていたことを憶えています。池上遼一をして嫉妬心を抱かせるような作家です。
 
 かって朝日ソノラマ社から「マンガ少年」とう雑誌が出ていました。COM廃刊で中断していた手塚治虫「火の鳥」を再開するのを柱にした雑誌です。そこでみなもと太郎さんが「お楽しみはこれもなのじゃ」とうエッセイを書いていました。題名から明らかなように和田誠さんの「お楽しみはこれからだ」を模して、漫画の名台詞を紹介したものです。ここで初めて楠勝平を知りました。たまたま近所の古本屋でガロ増刊号を見つけ、虜になりました。
 
 「お楽しみはこれもなのじゃ」から引用します。
『このエッセイを始める前から、どうしても語りたい人だと思いつつ、触れれば何かが消えてしまいそうな気がして、ためらいためらいここまで来てしまった。』
『付記・「楠氏が死んだとき、泣きながら飲み明かした」という編集者がいる。氏はそのことをなにげなく(多少恥じらいつつ)僕に語ったのであるが、僕はそれ以来この編集者だけには頭があがらなくなってしまった。』

 小林秀雄は「モオツアルト」の中で、
『すぐれた芸術作品は、・・何かを語ろうとする衝動を抑えがたく、しかも、口を開けば嘘になる・・。美というものは・・美しくもなく愉快でもないものである。』
と語っています。

 楠勝平の作品について何か書こうとすると、こんなのではない、もっとスバラシイものだ。こんな言葉ではこの作品の良さが伝わらない。でも何か書きたい。と苦しくなります。
 
 最後の作品「彩雪に舞う・・・」では、祖母と二人暮らしの病床の幼い少年が描かれます。疲れた祖母を気遣って、一人這いつくばって寝間着を着替える少年。少年の唯一の友である小鳥を呼ぶため、夜中にエサを撒くおじいさん。死と貧困にあえぎながらも、人に対するやさしさにあふれています。
 
 こんな文章を読むよりも、実際の作品を読んでもらうのが一番なのですが。楠勝平の作品を読むのが困難になっています。アマゾンの中古品では、2001年にでた楠勝平作品集定価3600円が29900円になっています。これではいくら良い作品でも、試しに読むには高すぎます。

文庫で良いのでどこかの出版社が出してもらえないものでしょうか。


彩雪に舞う…―楠勝平作品集

彩雪に舞う…―楠勝平作品集

  • 作者: 楠 勝平
  • 出版社/メーカー: 青林工芸舎
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: コミック



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究極の理論物理漫画「いろはにほう作」 [幻の名作漫画]

 世間ではお盆休みのようで、帰省の渋滞がニュースになっています。私の職場は、カレンダー通りの勤務で、お盆休みなどありません。ニュースを見てもよその国のことのような気分です。特に今週は忙しく、ここの更新もできませんでした。ただ、朝の勉強は、時間が短いながら毎日続いており、「ゼロから学ぶ線形代数」も昨日読了しました。三日坊主の私には珍しいことです。どんなに短くても毎日続けるのは大事ですね。
 
 さて次は何の本を勉強するかなと本棚を散策しました。散策するほど本がたくさんあるわけではありません。収納の都合で、本棚に前後2列で本を置いているため、本を探すのが大変なだけです。しかも、最近10年で6回引っ越しをしています。引っ越しの際に本を処分しているのですが、引っ越しの際のどさくさに紛れて処分しているため、何を処分したか忘れています。持っていた記憶はあるので探してみて、なければ処分したんだと分かります。こんなことで無駄な時間ばかりがかかります。「むだじゃむだじゃ」
 
 有馬哲の「線形代数入門」を探していたのですが見つかりませんでした。残念。代わりに発掘されたのが、小林よしのり著「いろはにほう作8・9」です。
 
 小林よしのりというとデビュー作の「東大一直線」から知っていますが、あの絵が苦手で読んだことがありませんでした。「いろはにほう作」雑誌連載中にたまたま目に入り、読んでみてはまってしまいました。とはいえ、コミック全9冊のうち、読んだのは最後の2冊、8,9巻のみです。最初の方は、昔ながらの絵で読む気がおきませんでした。8,9巻のみで話が独立しており、十分楽しめます。
 
 アホな小学生「ほう作」が、イジメにより頭を怪我してから天才に変わります。東清(とうきよ)大学の理論物理チームに招かれ共同研究を始め、ついには「ほう作理論」という大統一理論を作り上げます。過密なスケジュールで「ほう作理論」の講演を行い、小学校の卒業式にも出席できません。アメリカへの講演ツアーに行かなければならなくなったとき、ほう作は一つの選択をします。天才であることをやめ、アホなほう作へ戻るのです。
 「尊敬されることよりも勉強がよくできることよりも、バカにされてもいい。いっしょに遊べる友だちといることの方がずっとうれしい」
 
 今読んでも楽しめ、かつ泣ける話です。これが伝えられない自分の文章力が情けなくなりますが、是非皆さんに読んでもらいたい作品です。絶版になっているのですが、アマゾンで検索してみると、中古品で簡単に手に入るようです。8巻が何故か2100円よりと、高値になっていますが、一番大切な9巻が20円からとなっています。これはおすすめです。
 
 今回読み直してみて驚いたのは、「考える」という行為を絵にして表現し、そのうえ楽しませていることです。理論物理という、紙と鉛筆だけで行う行為を漫画にする、それだけでも大変なことだと思います。それを楽しく読ませる。小林よしのりというのは、実はすごい漫画家なんだなとわかります。
 
 講演で疲れたほう作がつぶやきます。
「けっきょく天才って凡人にサービスをするために生きとるとやね・・・」
これは天才漫画家小林よしのり自身のつぶやきかもしれません。
 
 最後に、研究を完成させようとしているほう作を見た共同研究者のつぶやきを紹介します。こんな言葉が出てくるなんて、これだけでも小林よしのりは凄い漫画家だとわかります。

「物質とはそもそも何か?宇宙はどんな構造をしているのか?・・・自分は科学者でありながら心のどこかでそんなことは神のみぞ知ることだという思いをぬぐいきれずにいた・・・」
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3/4(よんぶんのさん) [幻の名作漫画]

 以前勤めていた会社に、麻雀漫画好きの同僚がいて、その影響を受けて、麻雀ができないのに麻雀漫画を読んでいた時期がありました。引っ越しを繰り返すうちに、そのほとんどは処分してしまったのですが、どうしても捨てられない本があります。ほんまりうの「麻雀激闘録 3/4よんぶんのさん」です。
 
 トリックスター的な脇役マンケンが主人公に語ります。
 「四分の三程度のところで満足しちまう性格ってわけさ。一流にはなれないってさ・・・さすがに親は子をよく見ているよ。・・・・だからやらなきゃならない。途中で投げ出しちゃダメなんだ。四分の三を超えるために・・・」
 
 四分の三程度のところで満足する性格というのが、まるで自分のことを言われているみたいです。クロール、平泳ぎ、背泳ぎはできてもバタフライはできない。スキーをやれば、パラレルはできてもウェーデルンはできない。英検は2級まで。
 
 中年になっても物理に執着があるのは、四分の三の性格が影響しているかもしれません。適当なところで妥協し、自分の限界まで挑戦しない。やるだけやってダメならあきらめがつきますが、できるところまでやってないから後悔が残っている。今からでも遅くない、四分の三を超えるために・・・
 
 この「3/4」、第4巻の発行は昭和62年6月20日第1版第1刷、発行所竹書房です。竹書房のホームページで検索してもでてきません。絶版となっているようです。こういう隠れた名作が消えていくのは残念です。しばらく絶版になってた業田良家「自虐の詩」を文庫本で出したように、「3/4」もせめて文庫でも出して欲しいところです。
 
 森毅の「ベクトル解析」は、ちゃんと紙に書いて計算してみようと思って、そのまま保留。「物理入門」も、第1章問題はちゃんとノートに書いて解いたのですが、そこで止まったまま。四分の三を超えるのはやっぱり大変です。
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