SSブログ

映画「おくりびと」の原点 [幻の名作映画]

 週末義弟にビデオをDVDにダビングしてもらいました。もうVHSビデオなんて見ることはないと思っていたのですが、どうしても見たい映画がDVDで再販されないためです。滝田洋二郎監督の「病は気から 病院へ行こう2」です。
 
 題名からは想像できないと思いますが、ホスピスを舞台とした末期がん患者の話です。死と向き合う人々をコメディタッチで描いています。こう書くとふざけた映画と思われるかもしれませんが、全くそんなことはなく、死と向き合うことで生きる意味を問う作品です。黒澤明の「生きる」に匹敵する映画で、十分世界に通用する映画だと思います。「おくりびと」がアカデミー賞を取ったとき、滝田洋二郎監督の過去の作品が再評価されてDVDで出るかなと期待したのですが駄目でした。何か販売できない理由があるのでしょうか。仕方なくアマゾンのマーケットプレイスでレンタル落ちのビデオを1年前に購入しました。1年間そのままにしていたのをやっとダビングしてもらったのです。
 
 「おくりびと」で納棺師という、ともすれば忌み嫌われる職業を笑いを交えながらも美しく描いた滝田洋二郎。死と向き合う末期がん患者をコメディタッチで描くこの作品は、ある意味、映画「おくりびと」の原点ともいえるのではないでしょうか。
 
 冒頭は主人公である小泉今日子が亡くなるシーンから始まります。主人公の「死」は避けられないのです。近づく死、残された日々をどう生きるか。いろいろ考えさせられる映画です。「死」とは特別な物ではない。特別扱いする世間を皮肉る台詞がさりげなく出てきます。
 『癌になったら「さん」づけ。世間って傑作』
 『身勝手な同情や涙でくさい物にふたをするのは勝手ですが、私にはふたをしないで』
 
 昔見たときは思わなかったのですが、今改めて見てみると、小泉今日子以外の人ではできない映画です。まるで小泉今日子のために作ったような気がしてしまいます。それだけはまり役です。けなげな小泉今日子の姿に涙がでてきます。
 
 どんな理由があるのか分かりませんが、今この映画を見るにはレンタルビデオ店でVHSビデオを見るか、中古のビデオ、レーザーディスク(も出ていたらしいです)を買うしかありません。マーケットプレイスに出てくるように、レンタルビデオでも在庫は無くなってきているのではないでしょうか。残念なことです。こんなに良い映画が簡単に見られないなんて。もっともっともっと評価されて良い映画だと思います。
 
 『無意味に健康だったときより、ずっと元気です』


病は気から~病院へ行こう2~ [VHS]

病は気から~病院へ行こう2~ [VHS]

  • 出版社/メーカー: フジテレビ
  • メディア: VHS



病は気から/病院へ行こう2 [Laser Disc]

病は気から/病院へ行こう2 [Laser Disc]

  • 出版社/メーカー: 株式会社ポニーキャニオン
  • メディア: Laser Disc



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

量子テレポーテーション考える自由 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。