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究極の理論物理漫画「いろはにほう作」 [幻の名作漫画]

 世間ではお盆休みのようで、帰省の渋滞がニュースになっています。私の職場は、カレンダー通りの勤務で、お盆休みなどありません。ニュースを見てもよその国のことのような気分です。特に今週は忙しく、ここの更新もできませんでした。ただ、朝の勉強は、時間が短いながら毎日続いており、「ゼロから学ぶ線形代数」も昨日読了しました。三日坊主の私には珍しいことです。どんなに短くても毎日続けるのは大事ですね。
 
 さて次は何の本を勉強するかなと本棚を散策しました。散策するほど本がたくさんあるわけではありません。収納の都合で、本棚に前後2列で本を置いているため、本を探すのが大変なだけです。しかも、最近10年で6回引っ越しをしています。引っ越しの際に本を処分しているのですが、引っ越しの際のどさくさに紛れて処分しているため、何を処分したか忘れています。持っていた記憶はあるので探してみて、なければ処分したんだと分かります。こんなことで無駄な時間ばかりがかかります。「むだじゃむだじゃ」
 
 有馬哲の「線形代数入門」を探していたのですが見つかりませんでした。残念。代わりに発掘されたのが、小林よしのり著「いろはにほう作8・9」です。
 
 小林よしのりというとデビュー作の「東大一直線」から知っていますが、あの絵が苦手で読んだことがありませんでした。「いろはにほう作」雑誌連載中にたまたま目に入り、読んでみてはまってしまいました。とはいえ、コミック全9冊のうち、読んだのは最後の2冊、8,9巻のみです。最初の方は、昔ながらの絵で読む気がおきませんでした。8,9巻のみで話が独立しており、十分楽しめます。
 
 アホな小学生「ほう作」が、イジメにより頭を怪我してから天才に変わります。東清(とうきよ)大学の理論物理チームに招かれ共同研究を始め、ついには「ほう作理論」という大統一理論を作り上げます。過密なスケジュールで「ほう作理論」の講演を行い、小学校の卒業式にも出席できません。アメリカへの講演ツアーに行かなければならなくなったとき、ほう作は一つの選択をします。天才であることをやめ、アホなほう作へ戻るのです。
 「尊敬されることよりも勉強がよくできることよりも、バカにされてもいい。いっしょに遊べる友だちといることの方がずっとうれしい」
 
 今読んでも楽しめ、かつ泣ける話です。これが伝えられない自分の文章力が情けなくなりますが、是非皆さんに読んでもらいたい作品です。絶版になっているのですが、アマゾンで検索してみると、中古品で簡単に手に入るようです。8巻が何故か2100円よりと、高値になっていますが、一番大切な9巻が20円からとなっています。これはおすすめです。
 
 今回読み直してみて驚いたのは、「考える」という行為を絵にして表現し、そのうえ楽しませていることです。理論物理という、紙と鉛筆だけで行う行為を漫画にする、それだけでも大変なことだと思います。それを楽しく読ませる。小林よしのりというのは、実はすごい漫画家なんだなとわかります。
 
 講演で疲れたほう作がつぶやきます。
「けっきょく天才って凡人にサービスをするために生きとるとやね・・・」
これは天才漫画家小林よしのり自身のつぶやきかもしれません。
 
 最後に、研究を完成させようとしているほう作を見た共同研究者のつぶやきを紹介します。こんな言葉が出てくるなんて、これだけでも小林よしのりは凄い漫画家だとわかります。

「物質とはそもそも何か?宇宙はどんな構造をしているのか?・・・自分は科学者でありながら心のどこかでそんなことは神のみぞ知ることだという思いをぬぐいきれずにいた・・・」
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