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幸福な奴隷 [日記]

 昔から文章読本とか文章の書き方の類は良く読んでいました。うまい文章を書けるようになりたいと、ついつい色々な本に手を出すのですが全く身についていません。そのくせ、本屋で新しい本を見かけると懲りずに購入してしまいます。今回は黒木登志夫「知的文章とプレゼンテーション」中公新書です。

 日本でよく行われる理系、文系分類は意味がない。大切なのは筋道を立てて論理を展開すること。日本語は非論理的といわれるがそんなことはない。幾つもの問題点はあるが、補える。文章の知的三原則、簡潔・明解・論理的が大切。といった感じで、簡潔・明解・論理的に知的文章の書き方について書かれていきます。各章の終わりには3行にまとめた要点がかかれており、とても明快です。

 特に印象深いのが「第7章英語の世紀を生きる」です。英語が普遍語として使われていることに異論をはさむ人は少ないと思います。社内公用語を英語にする会社もでてきました。こういう動きに「無邪気で鈍感な人たち」と皮肉ります。塩野七生のエッセイから「日本人の思考によるアイデアが消え去る日がくるであろうこと」も引用しています。極めつけは
 「科学者は、自己表現のための武器として英語を使いながら、自分自身が英語に支配されていることを意識していない。・・・・まさに『幸福な奴隷』といっても良い。」

 しかし、英語を使わないわけにはいかない。一番大切なのは中身である。
 『外国語は、所詮、「衣服」のようなものである。「からだ」があってはじめて形をみせる。衣服があまりぼろでは困るが、見苦しくない程度であればよい。あとは中身の勝負なのだ。』

 良い文章を書くためには、良い中身がないといけないってことですね。といいながらも、今日も英語の勉強に手をつける、無邪気で鈍感な奴隷です。

知的文章とプレゼンテーション―日本語の場合、英語の場合 (中公新書)

知的文章とプレゼンテーション―日本語の場合、英語の場合 (中公新書)

  • 作者: 黒木 登志夫
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/04
  • メディア: 単行本



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